比較AZ-11


21世紀HFハンドヘルドAZDEN AZ-11との比較 (最終話)

Esシーズンも佳境に入りました。残された課題は果たして30年ぶりの28MHz機として
各局に満足いただけるものを提供できたか?というAZ比較評価です。
状態のよさそうな中古のAZ-11を入手できたのでAZ-11側を中心に記載してみました。
AZ-11はきれいな個体ですが性能が維持されているかは不明。よって参考程度です


【サイズ、重さ、携帯性】
AZ-11,QYTいずれも現代のVUHFハンディに比べれば巨体です。
IC-02NとAZ-11はほぼ同じサイズ。当時のアマチュア無線家は
VUHFであれこのサイズを首からストラップで下げることを厭わなかったのでしょう。
AZ-11はQYTに比べ比べ3pくらいトールです。QYTは背面全体バッテリーにて奥行きがあります。
トールなバッテリーは600mAhとスペック的には低いNiCd電池です。
QYTはリチウムイオンで4000mAhありますのでこれは隔世の感です。

【操作性】

AZ-11は上面のH/Lパワー切替があります。電池節約には不可欠です。
スケルチ独立はたいへん便利です。メインダイアルが無いのはAZDENの設計思想です。
周波数アップダウンはLCDの横の▲▼ボタンで行います。
メモリー操作が可能ですが、A/Bバンクありますメモリー周波数の入力は難しいです。
時間内に入力しないと操作リセットされてしまいますゲーム感覚です。
それでもMEMブロックが固定で変更できないQYTよりはいいかもしれません
テンキーは小さいサイズですからポチポチ入れていきます。
メモリをフル入力するのに30分かかりました。一度入れれば
SCANボタンでゆっくりチャンネルを巡回してくれます。




【視認性】

AZ-11の小型のLCDは日中太陽下でも見やすいです。
一方LCDのバックライトのLEDはあまりに暗く点灯しているのが分からないくらいです。
これは私の手に入れた個体が劣化している?のかもしれません。
QYTのきれいなLCDは炎天下は苦手です。日影でないと見えないでしょう。

【送信パワー】
QYT28はノミナル4W、元が27MHz用です。多少29MHzの上の方はパワーが落ちるようです。
AZ-11は公称5Wです。私の個体は5W出ませんでした。電池がへたるとHighパワーは1Wまで漸減します。
ローパワーは0.5Wをキープします。いずれにせよニッカドの600mAhはあっという間に使い切ってしまいます。
フルチャージして2局QSOしたら電池がなくなってしまいました。
また、その後パワーが出なくなり故障中です。せっかく動態機を手に入れたのに、残念です。

【受信感度、Sメータ、音質】

ラグチュー向きのゆったりする音がAZ-11からは聞こえます。
QYTは了解度の高い音が聞こえます。業務機だからかもしれません。
公称データ上ではSINADがAZ-11で圧倒的に良いためさぞ微弱電波受信すごかろうと思いました。
実際に聞いてみるとAZとQYTはほぼ互角でした。
QYTはデジタル回路とフロントエンドが信じられないほど近接しています。幸いノイズの影響はないようです。
機会があればAZ-11もQYTと同じようにも実機にSINAD実測(購入者ページで公開)を行おうとおもいます。
ハンディ機からSNギリギリの局を呼ぶことは少ないでしょうから、ここで大型HF機のようなことを比較しても
あまり意味のないことかもしれません。
Sメーターに関してはAZ-11はほぼ使い物になりません。スケルチが開けばフルスケール振ります。
QYT28についてもS3がボトムというIC-R5のTA311136のRSSIと同じようなダイナミックレンジの狭い表示をします。
スキャンはAZ-11に長ありです。スケルチもボリウムで設定しやすく確実に止まります。
QYTはスケルチを微妙にかけられないので=止まらないです。期待できません。

【充電器】

充電器はQYTはLED付きです。充電ICを使ったインテリジェントなものです。
AZ-11はNiCdをアダプタで常時通電するタイプ、電池がいつもほんのり暖かくなります。
劣化させないためには外しておいた方がいいかもしれません。

【価格】
http://www.paxradio.co.jp/pdf/katarogu1999_2000.pdf
2000年当時のパックスラジオのカタログによると38000円で販売されていたようです。
PCS10も併売で34800円、両機はさぞ人気があったことでしょう。
QYTは今のところ2万円以下。円安続きます。お気軽に買える最後のタイミングかもしれません。

【まとめ】
30年を経て健闘しているAZ-11、進むべきところは進んだQYT28、アマチュア無線家にとって
どちらも大切なリグに感じました。すでに動態保存級のAZ-11はホームで大切に使いつつ、
QYTでフィールドに行くのかなとも考えます。
アマチュア無線は本当に楽しいなと感じつつ、この報告を終わります。


【参考】

以上