JE1RAV局のSSB改造法


■TX-SSB化(JE1RAV局)いち早く改造されました例です。
HC49Uを用いた多段超小型フィルタです。

[3923] :D4Dの国内向け改造(SSB化も) 名前:JE1RAV  投稿日:2019年10月17日 (木) 17時34分 引用


7.040MHzのクリスタル(Mouser, HC-49US)を使って、国内用FT-8機(国内周波数は7.041MHz)にしてみました。

X2を7.040MHzのクリスタルに交換し、C2を47pFのままにすると、7.0402MHzで発振しました。

C2を9pF程度にすると7.041MHzになりましたが、そのまま47pF(7.0402MHz)で使用しています。

WSJT-xの送受信の音響周波数が、約800Hzずれますが、問題ありません。

受信用クリスタルフィルタX1については、7.040MHzのクリスタルを使用すると中心周波数がかなりずれそうなので(LTSpiceシミュレーションより)、コンデンサー(103)に変えました。

(アンテナに高Qの同調回路を持つMLAを使用したせいか、放送波による問題は感じませんでした。)

4pF程度のコンデンサーを7.040MHzのクリスタルに直列に入れれば、-6dbのバンド幅が7.0425MHz ±1kHz程度のフィルタにはなりそうです(LTSpiceシミュレーション)。


送信機側はクリスタルラダーフィルターを用いてSSB化しました。

掲示板[3743]でJA1VUC さんが紹介された直列コンデンサーで共振周波数を上昇させたタイプで作り、NE602の4番ピンとQ2のベース間に挿入しました。

この場合、直流成分が切れるので、Q2のベース-コレクタ間を100KΩ程度の抵抗でつないでバイアスを印加する必要がありました。

新QRP Plaza掲示板 [3781]:D4D modsに、キャリア漏れ対策と相互変調対策が書かれています。

キャリア漏れ対策として、Q1のコレクタと+5Vラインをダイオードでつなぐことで、Q1を常にonにして、NE602の出力の4番ピンと5番ピンのDCバイアスの非平衡を緩和させるものです。

今回、NE602の4番ピンとQ2のベース間にクリスタルラダーフィルターを挿入したので、4番ピンは直流的にグラウンドに繋がっていません。

そのため、5番ピンの方にもQ1のベースとの間にコンデンサー(104)を挿入し、こちらもグラウンドから直流的に切り離しました。

そうすると、Q1もバイアスが必要となりますので、Q1のベース-コレクタ間も100KΩの抵抗をつないでバイアスをかけました。

この場合、前述のキャリア漏れ対策用のダイオードは不要となります。

ラダーフィルターは、6poleとしました。nanoVNAで測定すると、7.042MHzから7.044MHzぐらいで何とか使えそうな感じです。

基板上に作ると、背が高くなってケース内に収まらなかったので、空中配線としました。

コンデンサーはサトー電気の温度補償セラミックコンデンサを使いました。

絶縁したうえで、周りを導電性テープでシールドした後、NE602の上に両面テーブで貼り付けています。

SSB化したので、電波型式はF1Dとなり、この送信機で免許を受けることが出来ました。

前述したアンテナ(MLA)を使用して交信も行えました。受信強度+02dBの場合、受信レポートは-19dBでした。


クリスタルを差し替えれば、国内/国際の2周波数モデルも可能かもしれません。

7.074MHz用のクリスタルラダーフィルターは、CRkitsの7.074MHzクリスタルを使用した場合、

図の6pFを12pFぐらいに、12pFを22pFぐらいに交換すれば良いかもしれません(LTSpiceシミュレーションより)。






以上