JJ2BGQ本多OMの製作記



 先に送っていただきましたKN−Q7A完成いたしました。回路もかなりシンプル
で、回路図と基盤配線を確認しながらゆっくり作りました。回路的にはシンプルなの
で、今後様々な改造をしてみたくなりましたし、その意欲がわくキットですね。この
キットをご紹介いただき、頒布いただいたことに感謝いたします。

 ところで、回路図と実際の基板およびシルク印刷を見比べていたところ、2カ所相
違がありました。回路の作動上は全く問題にならない部分ですので、もちろん皆さん
笑い飛ばして作ってらっしゃるのでしょうが、一応ご報告のみしておきます。

@ AFアンプから出て、スピーカー端子の間につながっているコンデンサと抵抗が、
基板上のシルク印刷と回路図では、順番が逆になっています。(古いバージョンの基
板から一貫して逆のようですね。)

A 緩衝増幅のC3357への8V電源供給ラインにぶら下がっている0.01μの
コンデンサが回路図中では5つあつのに、基板上は4つです。

なお、本格運用は保障認定を取ってからになりますが、調整時に気がついた部分を記
載しておきます。

@アンテナと比較的音質の良いスピーカーを接続し、PCでAFの帯域をおおざっぱ
に観測しながら、バンドパスフィルターの調整や、クリスタルフィルターの通過帯域
調整を行いました。クリスタルフィルターの通過帯域については概ね設計どおりのよ
うでしたが、私の好みを言えば、もう少し通過帯域が広い方(下限を350Hzとし
て、上限は2.4〜2.6KHz程度)が聞きやすいです。クリスタルとセットにす
るコンデンサで調整できると思うので、この辺の改造は将来の楽しみに取っておくこ
とにしました。

A 受信は実用上問題ない音質が確保できてはいますが、特定の周波数(私の場合は
1.2KHzあたり)のみ、少しレベルが低い部分が見受けられました。これが、フ
ィルターの素子のばらつきによるものなのかどうかは分かりませんが、他のリグを同
じスピーカーを使って音を出してみても、結構安定した波形が得られますので、スピ
ーカー自体の周波数特性の癖ではなさそうです。きちんとクリスタルフィルターの特
性自体を測ってみたいのですが、高性能な測定器を持ち合わせておりませんので、将
来の検討事項です。

B VXOは、15.536MHzクリスタルを2個直付けし、可変範囲を7.03
3MHz〜7.07MHzに調整しました。周波数は比較的スムースに可変できます
が、少し欲張って可変範囲を広げたため、ゼロインはできたかな?という微妙なとこ
ろまでしか追い込めません。まあ、SSBなのでとりあえず良しとしましたが、将来
的にはDDS改造やってみたいと思います。

C 送信については、当初は口笛音源で適当に調整しました。オプションのスピーカ
ーマイクでは、マイクアンプが必要ないくらいしっかりRF出力が出ていました。口
笛を吹いて軽く13w程度まで出てしまいましたので、今回はマイクアンプは付けま
せんでした。ただ、マイクエレメントが本体の高い位置に付けてあるため、そこを狙
って話さないと、思ったような出力が出ないことがありました。

D 送信音については、ダミーロードを繋げ手持ちの他のトランシーバーでモニター
しましたが、ちゃんと音声は乗っているようです。ただ受信音のところでも書きまし
たが、少し帯域が狭いようで、送信音についても何となくこもったような音に聞こえ
るのは、私の思い込みでしょうか?

E 簡易のスペアナ(GigaSt)をつないで、送信電波を観察すると8MHzあたりに、
ちょっとしたとげのようなピークが出ます。よくよく考えてみると、IFの8.46
7MHzが漏れているようです。基本波に対し、マイナス45dB程度なので、お許
しいただけるレベルかとは思いますが、少し気になるところです。きちんと調整する
ため、PCから安定したAFを注入し、送信段のBPFを厳密に調整しましたが、こ
れ以上改善しませんでした。ちなみに第2高調波もマイナス45dB程度、第3高調
波はマイナス47〜50dB程度でした。

以上、やはりkit・自作は作る楽しみに加え、調整する楽しみと、改造する楽しみ
が味わえ楽しいですね。


JJ2BGQ 本多信彦